HIROSAKI Heritage|建物が語る弘前文化遺産
あおもり創成パートナーズ株式会社
旧第八師団長官舎(弘前市長公舎)

きゅうだいはしだんちょうかんしゃ(ひろさきしちょうこうしゃ) 旧第八師団長官舎(弘前市長公舎)

旧第八師団長官舎は、大正6年(1917年)に旧第八師団長官舎として建てられた。終戦とともに米軍の進駐部隊の司令官宿舎として使用されたのち、昭和26年(1951年)に市に払い下げられ、市長公舎として利用された。弘前市庁舎本館の建設に際して、三分の二が解体されて、一部を敷地内南西部へ曳屋したものを、平成24年の保存修理工事にあわせて現在地に曳屋したものである。

旧第八師団長官舎は木造平屋建で、面積156.56平方メートル。堀江佐吉の六男・金蔵の施工で建設された。ヨーロッパで発達したハーフティンバー風(短い材木を効率良く組み合わせて作られた工法)の洋風建築で、玄関に切妻破風を造り外壁はモルタル塗りで屋根窓が付いている。内部は応接室、会議室、控室の洋室と、縁側付き二間続きの和室からなる。額縁で囲われた欄間付きの上げ下げ窓など、大正時代の雰囲気をよく残す。応接室の白漆喰塗り、腰壁は竪羽目板、上部を白漆喰仕上げにするなど、大正時代の洋風高級住宅を偲ばせる。蛇腹や照明のレリーフなど、細部の意匠もモダンである。

平成15年(2003年)7月17日、国の登録有形文化財となっている。平成20年(2008年)度、弘前市の「趣のある建物」に指定されている。さらに、平成26年(2014年)2月28日には、弘前市の魅力的な景観づくりを目的として景観重要建造物に指定されており、平成31年(2019年)4月1日には、弘前ねぷたまつりに見る歴史的風致の維持を目的として歴史的風致形成建造物に指定されている。現在はスターバックスコーヒー弘前公園前店として活用されており、建物そのものの意匠や庭園を活かしつつ、津軽地方にゆかりのあるブナコが照明に、津軽こぎん刺しがソファに施されるなど、独自の店舗デザインとなっている。

見どころ

登録有形文化財という制度を活かして、内部を喫茶店として活用しています。堀端に曳屋したことで、存在が顕在化し、現在では多くの市民に認知される建物になりました。

基本情報

区分 歴史的風致形成建造物、登録有形文化財
住所 青森県弘前市上白銀町1-1 地図
営業/休業 不定休
見学の際の注意事項 喫茶店営業中
営業時間 7:00~21:00
料金 無料
交通 【バス】
JR弘前駅より弘南バス 土手町循環100円バス「市役所前」下車 徒歩約1分
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