ひろさきめいじょうれんがそうこ 弘前銘醸煉瓦倉庫

弘前銘醸煉瓦倉庫は、大正7年（1918年）に酒蔵として建築された赤レンガの倉庫群で、現代の街の風景の中に突然現れるレトロな建物である。当初あった8棟のうち、現存する4棟は今なお米麦など穀物・農産物・畜産物・冷凍食品・一般貨物まで、様々な用途の倉庫として使用されている。

現所有者である弘前銘醸株式会社の前身である富名醸造は、大正時代に弘前で活躍した実業家の福島藤助が設立した酒造会社で、現在弘前れんが倉庫美術館となっている旧吉野酒造煉瓦倉庫も、福島によって建てられたものである。弘前ではレンガは入手困難であった事から、レンガ工場を建設し、レンガそのものの製造から始めた。約7年の歳月を費やして建設し、赤レンガ倉庫は「イギリス積み」と呼ばれる美しく重厚な佇まいを見せた。

昭和41年（1966年）、NHK連続テレビ小説「おはなはん」のロケ地になった事もあるという。毎年春には、隣接する弘前大学の桜並木と美しいコントラストを見せる。平成21年（2009年）度、弘前市の「趣のある建物」に指定されている。