熊野宮本殿
くまのぐうほんでん 熊野宮本殿

熊野宮本殿は、三間社流造で、向拝は1間であるが頭貫型虹梁はなく、象鼻と挿肘木とで連三斗を受ける形であり、柱の面も大きいのが特徴である。簡素な造りながら象鼻や懸魚の彫刻に優れた手法を示しており、繋虹梁などにも古い形式が残され、県内の神社建築を見る上で、欠かすことのできない貴重な建造物である。木製狛犬も見どころである。棟札から慶長20年(1615年)の建立とされ、市内で棟札が残る社殿の中では、岩木山神社拝殿や熊野奥照神社本殿に次いで古い。
かつては「熊野三所飛龍大権現」といい、俗に「袋の宮」と称されていた。創建時期は不明である。門外村(現・弘前市門外)の新宮と八幡村(現・弘前市田町四丁目)の本宮(熊野奥照神社)とともに、熊野三所権現を摸したものとされ、ここは那智宮に相当するものとして造営されたという。
平成5年(1993年)1月22日、青森県重宝に指定されている。

非常に簡素で小規模ですが、得も言われぬ風格が漂います。縁の上に鎮座する木製狛犬が、なんとも言えない不思議な空間を演出しています。
基本情報
区分 | 県重宝 |
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住所 | 青森県弘前市茜町1丁目8 |
見学の際の注意事項 | 本殿は非公開 |
交通 | 【バス】 JR弘前駅より弘南バス 駒越線「イオンタウン樋の口」下車 徒歩約5分 |
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