いしばけじゅうたく 石場家住宅

石場家住宅は、全体的に規模が大きく、建物は正面15間半、奥行22間の広大な屋敷地の西南隅に建てられ、間口9間の南面が入母屋造の妻入の建物である。釿で角材に仕上げた大きな梁や指物を使用するなど豪壮な構えとなっており、近世後期の数少ない商家の遺構として貴重である。座敷部分の造作も優秀で、梁組の土間、井戸などに藩政時代の大店の雰囲気が漂う。後世に改造を受けているものの、細部の仕上げにまで特徴を有する津軽地方の数少ない商家の遺構として貴重なものである。正面道路に沿って15畳の角座敷が取り付けられ「こみせ」を張り出しており、雪国特有の味わいを感じられる。「常居」の梁に巻き付けられた年縄や囲炉裏などにも歴史が偲ばれ、往時の生活に思いをはせることができる。

現在は「石場家酒店」として地酒を取り扱っている。内部の見学は有料。昭和48年（1973年）に国の重要文化財に指定されている。