HIROSAKI Heritage|建物が語る弘前文化遺産
あおもり創成パートナーズ株式会社
長勝寺 本堂・庫裏

ちょうしょうじ ほんどう・くり 長勝寺 本堂・庫裏

長勝寺は、津軽家の菩提寺である。津軽氏の祖である南部光信の菩提を弔うため享禄元年(1528年)に種里(鯵ケ沢町)に創建された。現在地へは、弘前城築城に際して移転した。

本堂は、慶長15年(1610年)頃に造営されたと考えられている。桁行22.7メートル、梁間16.3メートル、入母屋造こけら葺きである。規模が大きく、八室からなる大型の本堂で、方丈形の曹洞宗の本堂建築としては、典型的な構成を示し、全国的にも最古級の遺構である。創建以来、たびたび改造・修理が成されてきたが、平成17年(2005年)度から平成20年(2008年)度にかけて大規模な修理を行い、宗教行事と維持管理の上で支障のない限り当初の形式に復原整備された。正面向拝玄関を撤去して一連の窓構に復し、南端に一間半の出入口を設けた。本堂正面の板敷廊下東半分を土間に復旧し、屋根のとち葺型銅板葺をこけら葺に戻すなど、当初の姿を復元する整備を行った。本堂は中世まで遡る部材があり、槍鉋や蛤手斧等の痕跡を視認できる。

庫裏は、文亀2年(1502年)建築の大浦城台所を移築したと伝えられてきたが、柱の太さや風触の度合いや痕跡の調査などからすると、古い柱材などを使用しながら、この場所で新たに建築されたものとみることもできそうである。桁行18.1メートル、梁間13.9メートル、屋根は切妻造で茅葺。側柱と中央通りの柱を揃えて立て、各柱に登梁のぼりばりを架け渡し、これに小屋束を立てて和小屋を構成する。本堂と同様、中世の構造形式を残している貴重な遺構である。

いずれも平成5年(1993年)8月17日、国の重要文化財に指定されている。

見どころ

槍鉋や手斧の加工痕があちこちに遺っていて、慶長期の職人の息遣いが感じられるかのようです。

基本情報

区分 重要文化財
住所 青森県弘前市西茂森1-23-8 地図
営業/休業 12~3月非公開
見学の際の注意事項 立ち入り禁止区域あり
営業時間 9:00~17:00
料金 無料
交通 【バス】
JR弘前駅より弘南バス 弘前~相馬線もしくは弘前~西目屋村役場線「茂森町」下車 徒歩約15分
JR弘前駅より弘南バス ためのぶ号(100円バス、冬期運休)「茂森町」下車 徒歩約15分
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