旧弘前藩諸士住宅
きゅうひろさきはんしょしじゅうたく 旧弘前藩諸士住宅
旧弘前藩諸士住宅(旧笹森家住宅)は、弘前城北側の仲町伝統的建造物群保存地区の西南部に所在する。18世紀前半までに弘前藩が城下に建設した一連の諸士住宅のひとつであり、宝暦6年(1756年)作成の藩政時代の武家住宅台帳「御家中屋鋪建家図」に、「佐々森傳三郎」の家として平面図が記録された住宅で、現存する伝統的建造物群保存地区内で最古の建物である。建築年代が江戸時代中期とされ、平成7年(1995年)に市が主屋と門の寄贈を受け、解体した部材を一時保管、もとあった仲町地区内北東部の小人町から平成24年(2012年)に現在地に移築・復原した。
木造平屋建、切妻造銅板葺、外壁は土壁塗真壁造である。小規模な住居だが、主要部分の間取り柱間などが建築当初から変わらず、柱や梁など建築当初の部材も多く残っている。簡素な床の形式、閉鎖的な壁面構成など、建築の随所に古風な特色がみられる。典型的な弘前の武家住宅のつくりが、間取りなどによく残っている。平面構成などにその標準的な姿を示し、全国的に例が少ない同時期の遺構として価値が高い。また武家町として保存されている仲町伝統的建造物群保存地区における諸士住宅の特徴を理解する上でも重要である。
江戸時代後期から明治時代にかけての伝統建築が多い中で、旧弘前藩諸士住宅(旧笹森家住宅)は、弘前城下における中・下級武士の住宅の建築様式を伝える遺構として極めて重要であり、平成28年(2016年)2月9日、国の重要文化財に指定されている。
いわゆる重要文化財的ではない、あまりに普通の武家住宅ですが、こうした普通の武家住宅で来歴が明確な建物は全国的に見ても非常に希少です。リアルな普通の武家の生活を理解するのに、非常に有益な建物です。
基本情報
区分 | 重要文化財 |
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住所 | 青森県弘前市若党町72 |
営業/休業 | 休館 4~6月休なし 7~10月 月・木 11~3月 月火金土日 8/13 年末年始 |
見学の際の注意事項 | まつり期間中は臨時開館 |
営業時間 | 10:00~16:00 |
料金 | 無料 |
交通 | 【バス】 JR弘前駅より弘南バス ためのぶ号(100円バス、冬期運休)「津軽藩ねぷた村」下車 徒歩約5分 JR弘前駅より弘南バス 石渡線乗車「亀甲町門前」下車 徒歩約3分 |
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