HIROSAKI Heritage|建物が語る弘前文化遺産
あおもり創成パートナーズ株式会社
旧第五十九銀行本店本館

きゅうだいごじゅうくぎんこうほんてんほんかん 旧第五十九銀行本店本館

旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)は、明治期の弘前を代表する棟梁・堀江佐吉が設計及び施工を手がけ、明治37年(1904年)に完成した。弘前藩の御用大工の家柄に生まれながら、和風建築だけでなく、全くの独学で洋風建築の技術をも身に着けた堀江佐吉が、当時の岩淵惟一(いいち)頭取から腕を見込まれ、「あんたが気がすむようなものをこしらえてくだされば、よござんしょう」と建築の一切を任された。総工費は約67,000円と弘前市内の同時期の建築に比べ極端に高額で、さらに堀江佐吉は59歳と晩年であったことから、それまでに彼が修得したすべての技法と心血が注がれたとされる。

左右均等(シンメトリー)に調和よく建てられており、 堅牢な造りと豪華さが調和している木造2階建てで、青森県産の「ケヤキ」や「ヒバ」が使用されている。壁の下地には瓦が使用され、砂漆喰の上塗り施された耐火を意識したものとなっている。外観はルネサンス風の意匠を基本とする一方で、内部は格天井に金唐革紙が使われるなど、和洋折衷手法に優れた堀江佐吉のセンスと技量が感じられる。

昭和40年(1965年)の現在の青森銀行弘前支店の新築により、この建物は取り壊される予定であった。しかし、地元住民からの強い要望により、解体せずに曳屋して保存した。明治期の洋風建造物の中でも高水準として、昭和47年(1972年)国の重要文化財に指定されている。

見どころ

営業室のケヤキ材のカウンター、二階の格天井の金唐革紙や、リノリュームの床など、贅沢な材料や希少な技術をふんだんに用いた贅沢な建物です。また、二階の会議室など、積雪荷重などがある中で、柱一つない広大な空間を形成することに成功しています。堀江佐吉の凄みを感じることのできる建物です。

基本情報

区分 重要文化財
住所 青森県弘前市元長町26 地図
営業/休業 火曜日・年末年始休館
見学の際の注意事項 2階人数制限あり
営業時間 9:30~16:30
料金 一般200円(団体100円)
小中学生100円(団体無料)
交通 【バス】
JR弘前駅より弘南バス 土手町循環100円バス「下土手町」下車 徒歩約5分
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