HIROSAKI Heritage|建物が語る弘前文化遺産
あおもり創成パートナーズ株式会社
青森県立弘前中央高校講堂

あおもりけんりつちゅうおうこうこうこうどう 青森県立弘前中央高校講堂

青森県立弘前中央高校講堂は、昭和29年(1954年)に建てられた前川國男がはじめて手掛けた学校の建物である。弘前公園外堀に面した弘前中央高校の創立50周年記念事業として建築された。前川國男へ依頼したきっかけは、木村産業研究所創立者の木村隆三の兄、木村新吾がPTA会長をしていたことである。白壁のホワイエは、同年、同じく前川が手掛けた「神奈川県立音楽堂」と同様の雰囲気を醸しており、後年、全国各地に建てられる前川の音楽ホールの先駆けとなったとされる。

白を基調とする内部や水色に塗られた鋼板の外壁、軒裏の赤色など随所に色彩の工夫がなされている。内部の硬質の美しさなども、前川の油の乗った時期の充実した建物となった。デザイン性が前面に出ており、見た目の格好が良い。全面がスチールサッシのガラス張りの正面からは、中のホワイエを見通すことができ、水平のスレンダーな庇を建物上部にめぐらせたことで、外壁とスチールサッシの窓面には雨が直接かからなくなり、今もなおその姿は健全に保たれている。座席は2階も含め806席あり、2004年から2006年の丸2年間で「前川國男の建物を大切にする会」が主導となり、補修が完了したという。

弘前市民会館が誕生するまでは、弘前市における音楽鑑賞の場として市民に広く愛されており、現在は、耐震補強工事を経て、同校学生たちに活用されている。平成26年(2014年)2月28日、弘前市の魅力的な景観づくりを目的として景観重要建造物に指定されている。

見どころ

色彩の工夫、内部のデザインなど、前川の油の乗った時期の充実した建物となっています。デザイン性が前面に出た、格好いい建物です。

基本情報

区分 景観重要建造物
住所 青森県弘前市蔵主町7-1 地図
見学の際の注意事項 非公開
交通 【バス】
JR弘前駅より弘南バス 土手町循環100円バス「文化センター前」下車 徒歩約5分
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