弘前市斎場
ひろさきしさいじょう 弘前市斎場
弘前市斎場は、昭和58年(1983年)に建築された、前川國男が弘前で最後に手掛けた作品である。遺族の悲しみをどう受け止めて和らげるかを随所で考えてかたちにした、弘前での総決算的な建築であるといわれる。
弘前市斎場は打ち込みタイルの外観、大きな勾配屋根を持つ。遺族らが待つ和室と炉室を繋ぐ、長い緩やかなスロープの渡り廊下は、黄泉の国と俗世を結ぶ、古事記由来の黄泉平坂(よもつひらさか)をイメージしている。玄関の大きな勾配の車寄せの格子梁は、遺族の悲しみを受け止める。内部は、炉前ホール・集骨室・事務室などの火葬棟と、待合室のある待合棟からなり、炉前ホールの炉室は、化粧コンクリートはつり仕上げとなっている。収骨質の天井のライトは岩木山とは反対方向に向けて光が抜けるように設計している。天窓の配置は、故人の魂が岩木山へ向けて帰るとき、天窓から下を眺めることが出来るように位置関係が考えられている。
平成26年(2014年) 2月28日、弘前市の魅力的な景観づくりを目的として景観重要建造物に指定されている。
前川は「悲しみを和らげるのは自然しかない」と考えて斎場のプランを進めたそうです。前川自身や親しい人の死を間近に感じながら、弘前市民の人生の最後の時間を受け止める建物を考え、完成させた建物です。
基本情報
区分 | 景観重要建造物 |
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住所 | 青森県弘前市常盤坂2-20-1 |
見学の際の注意事項 | 要予約 |
営業時間 | 16:15~17:00 |
交通 | 【バス】 JR弘前駅より弘南バス 弘前~相馬線もしくは弘前~西目屋村役場線「茂森町」下車 徒歩約20分 JR弘前駅より弘南バス ためのぶ号(100円バス、冬期運休)「茂森町」下車 徒歩約20分 |
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