きゅうふじたけべっていわかん 旧藤田家別邸和館

旧藤田家別邸和館は華美ではないが厳選された材料を用いた豪華な建物である。桁行7間，梁間4間半，寄棟造の母屋妻面に入母屋造の玄関及び車寄せを接続する。高台庭園側の主座敷と、岩木山を借景する背面のはなれ座敷を雁行形に棟分けし、廊下で連結している。はなれ座敷は、格天井で床の間に違い棚がつくなど変化を持たせている。庭を望む奥座敷周りには、1間幅の縁側をめぐらし、さらに平屋南面には下屋庇を張り出し、陰影に富む空間をつくり出している。室内は、屋久杉の一枚板や鞍馬石の沓脱石など吟味されたものが使用されている。また、小川破笠作の板戸絵、七々子塗り箪笥、狩野派屏風等を展示している。

平成15年（2003年）7月17日、国の登録有形文化財となっている。平成20年（2008年）度、弘前市の「趣のある建物」に指定されている。さらに、平成24年（2012年）10月16日には、弘前市の魅力的な景観づくりを目的として景観重要建造物に指定されており、平成31年（2019年）4月1日には、弘前さくらまつりに見る歴史的風致の維持を目的として歴史的風致形成建造物に指定されている。