きゅうひろさきむじんしゃおく（みかみびる） 旧弘前無尽社屋（三上ビル）

旧弘前無尽社屋（三上ビル）は、弘前公園東方に位置する。弘前無尽株式会社が社屋として昭和2年（1927年）に建設した。設計は当時の青森工業学校長（現在の弘前工業高校）・大竹巽によるもので、当初は3階建てで1階が吹き抜けの執務室だった。

旧弘前無尽社屋は角地の隅を切る平面プランによって建てられており、正面から見ると三角形の建物のように見える特徴的な外観を持つ。垂直性を強調した壁面で、すっきりしたデザインでまとめられている。3階窓上部にあしらった歯飾状の装飾を背面にまで連続させ、この当時流行したアールデコ調のデザインが現存している、当時の弘前の建築の流行を知ることができる。当初からの寄木張りの床材等からも、趣を感じられる。

平成15年（2003年）7月17日、国の登録有形文化財となっている。平成20年（2008年）度、弘前市の「趣のある建物」に指定されている。さらに、平成24年（2012年）10月16日には、弘前市の魅力的な景観づくりを目的として景観重要建造物に指定されている。